日々徒然

好きなものを好きなだけ。

ジブリ大博覧会に行ってきた。

※展示内容について思い切り書いていきますので、これから行くのにネタバレは嫌だ!という方は読まない方が良いかと思います。

 

 

 

さて、夏季休業を使って、チケットのお値段改訂でも話題になったジブリ大博覧会に行ってきました!

最新作までのジブリの歴史を辿る的な触れ込みだったので、さぞや過去作品に関する色々な展示があるのだろうと思っていたのですが…。

序盤の最新作の原画を除き、飾ってある作品はほとんどが既存作品のポスターや宣伝広告でした。

ヒルズの展望デッキ内を、別の展示と半々にしているためか、出展数もそこまで多くありません。

ごく一般的な美術館の企画展(絵や立体物などの作品がとにかくたくさん並んでいる感じ)を思い描いて行った場合、見たことのあるポスターばかりが等間隔に並んでいるだけで、正直物足りない展示になっていると思います。

…が!!

今回のジブリ大博覧会の真髄はそこでは無い、ということに、しばらく展示を見ていて気付きました。

誤解なく説明するのが難しいですが……要はジブリ作品のプロデュースや宣伝技術に迫る展示、というのが、この大博覧会の目的とするものだったようです。

そして、その視点から見ると、何気ないポスター展示が驚くほど興味深くて面白い!

個人的に一番面白かったのは、ポスターの合間に飾ってある糸井重里さんと鈴木プロデューサーとの書簡のやりとりです。

たとえどんなに素晴らしい作品を作ったとしても、それを売り込む手立てが無ければ、作品は作品として成り立ちません。どんなタイトルロゴをつくり(ロゴ案もありました)、どんなキャッチコピーをつけ、ポスターを作り、どのようにしてジブリ作品を世間様に広めていくのか。その宣伝技術の巧みさから、ジブリ作品への愛情をひしひしと感じました。

そして、ジブリ作品は、糸井重里のキャッチコピーありきなんだなぁとも。それぞれ100分近い大作を、たった一言で的確に表現する才能に、改めて感動を覚えました。

と、気づいてしまえば、以前に拝見したNHKのswitchインタビューの予備知識もあったので、主旨としては理解しやすい展示でした。まさかそんな切り口だとは思ってなかったので予想外でしたが(笑)

同時に、次世代へのバトンタッチを早くしたいという製作者サイドの思いも強く感じました。

そのための宣伝技術とは?という部分が少なからずあるのだろうな、と。

でも過去の作品群を見ていると、そこは周りのプロデュースだけではカバーし切れない問題だとも感じます。個人の資質として作品に現れる世界観は、戦略ではどうにもならない部分もあるのだろうなぁと…。やはり宮崎監督と高畑監督の双璧は途轍もなく偉大だったのだなぁと思いました。

お二人を超えるとなると、あまりにもハードル高すぎですよね。クオリティを保ったままでの後継者育成はとても大変そうです。

まぁ勝手な推測ですが。

 

余談ですが、物販コーナーに行ったところ、入って真正面のところに、パンフレットと一緒に鈴木プロデューサーのお書きになったプロデュースに関する新書が置かれていて、思わず笑ってしまいました。

展示ではちょっとオブラートに包んだ感じにしてたけど、やっぱりそうなんじゃーん!という(笑)

 

以下、見た目でわかりやすい展示について。

今までに販売したグッズ展示では、膨大な数のグッズが所狭しと並んでいて、特に天井から吊るされてるポニョ人形が可愛かった。何個か買って、そういう飾り方をすれば良いのか〜という感じ(笑)

記念品で作られたらしいアシタカのお茶碗の複製や、ポルコの顔を模した蚊取り線香入れや、興行で使われたアリエッティの実物サイズのドールハウスも飾ってあり、やはり作品への愛を感じました…。 

展示でおそらく一番人気だったのは、三鷹の森ジブリ美術館に置いてあるのと同じ猫バス模型!

中に乗って記念撮影が出来ます。かなり並んでいたのでわたしはパスしましたが…皆さんにこにこお写真を撮っておられて楽しそうでした。 

最後の部屋のラピュタの巨大箱舟の展示もすごかったです。

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ここの部屋は写真撮影OKだったので撮ってきました。

こんな感じで展望デッキの真ん中に作品があるので、昼間は青空、夜は夜景の中を飛行船が飛んでいるように見えます。展望デッキを有効活用していて良かったです。

しかもこの箱舟、内部のからくりでオールやプロペラがまるで本物みたいに動いている!

アニメが現実になるってこういうことか〜、と。ジブリファンにはたまらない展示でした。

ちなみにこの箱舟の周り(展望デッキの窓と反対側)は、飛行機に関する歴史的変遷が書かれたボードがあり、おっけー!宮崎駿さんの趣味のお部屋ね!という感じになっています。端々にジブリ作品を絡めた年表になっていたのが面白かったです。

 

展示の最後の最後は、おなじみの「おわり」で締めくくられていました。粋な計らいですね。

 

肝心の混み具合ですが、どうやら夕方は割と空いているようです。

わたしが到着したのはたぶん18:00くらいで、待ち時間20分程でするっと中に入ることが出来ました。

箱舟のお部屋に入った時には日が落ちていたので、夜景も見られるタイミングで良かったなぁと思います。

展示自体は…まぁポスター展示の入り口付近の混雑を我慢出来れば!という感じです。ゆっくり展示だけ見て(プロット展示のところは混雑していたので一部のみサッと見て)一時間半くらい。猫バスに乗るとなるとプラス30分くらい…かな?

昼間はもっと混んでるでしょうし、家族連れの方々がいると思うので、大人だけなら時間帯は選んだ方がのんびり出来て良いかもしれないですね。

 

総括するに、とても充実した展示でした。

本場の三鷹の森ジブリ美術館にも行きたくなりました(というCM効果もこの展示の目的なのかもしれないので侮れないなぁと思います…)